株式会社フェニクシーは7月1日、同社インキュベーションプログラムについて産官学の有識者から意見や助言を得るため、第3回アドバイザリーボード(有識者委員会)会議を開催しました。同社施設「toberu 2号館」及びオンラインで行われた第1部と第2部には、委員、創業メンバーとスタッフ総勢12名が参加しました。
第1部では、第6期フェロー(プログラム参加者)が委員らに向けて事業内容のピッチを行い、フィードバックを得るとともに質疑応答を行いました。
第2部では、まずフェニクシー代表取締役の橋寺由紀子が、プログラムを開始して今日に至るまでの3年間の取組みを説明。続いて同アドバイザーの中嶋浩子が、プログラムに対するフェローからの評価アンケート結果及びプログラム修了後の現状などについて報告しました。
アンケートでは、フェローがプログラム参加前後で各種スキル(※)が伸びたと感じていることが報告されました。特に企業から派遣された参加者のスキル自己評価の伸びが大きくプログラムの効果が確認できた一方、会社に戻ると様々な理由からプログラムで磨いた新規事業が開発中断になるケースが全体の約3分の1となっている実態が説明されました。
(※)計数管理、イメージ力、調査手法、コミュニケーション力、プレゼンテーション力、ファシリテーション力、専門家を活用する力、交渉力・調整力、他人を巻き込む力、課題解決のための総合力の10項目について、プログラム前後での成長度合いを5段階で自己評価
これらの状況を踏まえ、社外取締役の村井曉子による進行のもと、「プログラム修了後、参加者が企業に戻ると事業開発を継続できないケースが多い」「先の見えない時代を切り拓く人材(イントラプレナーシップ&リーダーシップ)の育成」という2つの切り口でディスカッションを行いました。
総論として、「フェニクシーへの企業派遣者の新規事業開発成果(プログラム開始後3年間)の実績は、大企業全体の現状やフェニクシーブランド確立道半ばであることを鑑みると、十分」「新規事業開発できる場を提供するのがフェニクシーブランドでもあり、その副次効果としての人材育成-不確実な時代のリーダー育成であるべき。派遣する側も、難しい課題をもちこみ疑似修羅場・他流試合を体験して社員が育つことを期待する」といった委員見解を得ました。
第3部には2名の出席者が加わり、第2部までの振り返りと総論への意見交換が京都市内で行われました。
【出席者:アドバイザリーボード】
- 国谷史朗 大江橋法律事務所 代表社員
- 佐々江賢一郎 日本国際問題研究所 理事長
- 篠田真貴子 エール 取締役
- 仲暁子 ウォンテッドリー 代表取締役
- 永野毅 東京海上ホールディングス 取締役会長
- 松本大 マネックスグループ 代表執行役社長CEO(フェニクシー創業メンバー)
- 御立尚資 京都大学経営管理大学院 特別教授
- 山極壽一 総合地球環境学研究所 所長(第3部のみ出席)
【出席者:フェニクシー】
- 橋寺由紀子 共同創業者・代表取締役
- 久能祐子 共同創業者・取締役、京都大学 理事
- 小林いずみ 共同創業者・前取締役(第3部のみ出席)
- 村井曉子 社外取締役・リーダーシップコーチ、京都大学経営管理大学院 客員准教授
- 飯島由多加 取締役・最高広報国際責任者
- 中嶋浩子 アドバイザー・toberuファンド投資委員会事務局
【写真:当日の様子】
<以上、開催報告>
【問合せ先・参考事例】
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- その過程で社内を変革する、社内と社外のカタリスト(触媒)※になれる起業家的人材を育成したい
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※本会議出席者による本会議中の表現。
⇒ プログラム修了生が、フェニクシーでの経験を活かして新規事業を立ち上げた事例
【関連リンク】
- 2020/7/15 フェニクシーリポート #3「アドバイザリーボード会議:イノベーションを阻む組織の壁」
- 2020/6/5 アドバイザリーボード会議を開催:イノベーションを阻む組織の壁について議論