葛西杏奈さん(フェニクシーインキュベーションプログラム6期生)は7月5日、産科医療の持続と産科医療者のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)向上の両立をめざす株式会社POTEを設立しました。同社は、新人助産師が職場に慣れ、技術面や先輩との関わり方で心細い最初の時期をサポートできるような教育・評価ツールを現在開発中です。このツールは、新人のサポートになるだけでなく、多忙の中で新人を指導・フォローしている先輩の助けにもなるよう開発が進められています。
開発と併行して、同社は助産師限定オンラインコミュニティを開設し、参加者の募集を始めました。このコミュニティは、医療業界という命と向き合う特殊性のある環境で、日々業務の忙しさを乗り越える助産師にとって「怒られたり否定されることのない」居心地のよい場となるよう同社が運営するものです。
産科に注目する理由について、葛西さんは「大学のアルバイト時代を含めて5年、社会保険労務士として専門性を磨いてきました。その後、労務相談や労務トラブルの背景には何があるのか、社労士事務所の中では見えにくい企業のリアル(現場で起こっていること)を見たいと転職したのが産婦人科でした。ここで人事として勤務したことをきっかけに、産科を支える医療者一人ひとりのとてつもない努力と想い、その一方で産科全体が抱える周産期医療全体の課題の両方を知りました」としています。
事業の今後については、「まずは「助産師」に関する課題解決から取り組みます。しかし、私たちは助産師の課題が解決されたその先で貢献できることもたくさんあると各ステークホルダーへのヒアリングから感じています。縮小していく産科の、さらに母数が少ない助産師にフォーカスをしていく会社ではありますが、その先に解決できる課題はたくさん待っており、かつ、それらの課題解決は社会的意義も大きいのでは」としています。
- 株式会社POTE 公式note:https://note.com/potepote_mw/
- 株式会社POTE 公式Instagram:pote.inc
- Twitter「Anna|社労士×産科向けサービス」:mikke_medical